「私
を買わない?」
暗い路地の中、相手の顔は見えない。
寄ってくる女の横をすり抜けて行こうとした。
「そういう気分じゃねぇんだ。」将五はタバコを口に
銜える。
シュボッ。
ジッポを手に、女は言った。
「私の情報を買わない?」
彼女の微笑んだ顔が灯
りに浮かび上がっている。
タバコを火に近づける。
将五はゆっくりとタバコを吸
う。
(好みだな。)
・・・罠か、それとも本当に有益な情報を持っている
のか。とりあえず今の段階で糧はこの女にしかない。
(乗ってみるか・・)
ココロノブラインド
ベッ
ドの中、そっと
を
抱き寄せる。
互いの素肌が触れ合い、温もりを確かめ合う。
「あの時、俺は一目惚れだったんだ。」
そんな言葉を聞きながら、将五の背中に腕
をまわす。
彼の胸に顔を埋めながら答える。
「奇遇。私も同じだよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
うちのもんがここ数日何者かに狙われている。どれも
集団で突然襲い掛かってくる卑怯な手口だ。
そいつらを調べるよ
う言われたが、いくら聞き込みを
しても大した進展は見られなかった。姿
を隠すのだけはうまいらしい。
手取り早く自分が囮となり、被害があったエリ
アを歩いてみることにした。
そこで
に
出会った。
情報屋である
の
話を将五は聞いてみようと
思った。
罠であっても奴らと接触さえできれば・・・と。
「情報を売ってくれ。」
「私が知っているのは、あなた達が探している奴らの
素性、近々取るだ
ろう動向、潜伏場所等々。 そんなところだけど、いかが?」
俺たちが散々、調べ上げても出てこなかったことだ。
「その情報の信憑性はあるのか?」
「信じるかは将
五さん次第。」
「俺の名前も知っているのか。」
「情報屋ですから。」
おどけた風に言った彼女はごく普通の女の子に見え、
裏社会を生きているようには見えなかった。
「いくらだ?」
「情報代はいいよ。」
「吹っかけてきたのに金は要らないのか。」
彼女は将五の心情を見透かしたかのように、
「高い情報料=信
用できる情報とは限らなし、信じるかは将五さん次第。」
真顔で考えていた将五を見つめて、少し笑った。
「罠かもしれない状況にも臆することなく、話に乗っ
て
きた度胸に免じて、代金はいらないよ。」
彼女ははさらさらとペンを走らせ、そ
の
紙を将五に渡して去っていった。
それは奴らについての情報だっ
た。
そして最後には
『またのご利用を! 090・・・・・・・・
・・・・・・@・・・.ne.jp
』
…continue